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現代的大都市とは、歴史的な連続体に対して、「アッチを切り取り、コッチを毀わし」しながら進んでいる「人工的な解体工事の集合体」だから、裂け目で成り立っているものであって、ここで産まれる、芸術は、その裂け目の切り口を眼光鋭く現場感覚をもって表現しなければならない。(まえがき)

「取り残されたもの」はそれ自身の前提として既に消えて無くなったものを自己の周囲に持っている。人工的な周囲の除去ではなく、それとは逆に、周囲の消滅を自らの廻りに依然として所有しているからこそ、それは取り残されて在るのだ。だから、嘗てあった周囲の物(者)達とのもろもろの関係が影絵となって現れ出ているのでもある。(14)

— 藤田省三(1997)『「写真と社会」小史』みすず書房